そこは、奥多摩町山中に佇む、古びた一軒家。
目前には自然豊かな大丹波川が広がっている。

1週間前の事。その家の主が、突然倒れ他界した。
独り身であった彼の葬儀や、彼が残したこの家を、どうすれば良いか・・

近隣に在住し、親交のあった矢嶋秀平は、
彼にかつて家族がいた事を思い出す。

そうして矢嶋からの一報を受けた元家族。
3人の娘は、彼の葬儀を終えた数日後、この家に集う事に。

二十数年振りに会った父。
静かに眠りに付く父を前に、長女の瞳は不思議な感覚に包まれていた。
何も感情が湧かなかったのだ。怒りも、悲しみも・・。

当時、父と母は互いに納得しての離婚。
だから、特に恨んだことも無い。
かと言って、連絡を取る事も会う事もなく、今を迎えていた・・。

かくして一同は、これからを論じながらも、
ひとまず家の中を片付け始める事に。

そんな中、同居人を名乗る一人の女性が現れる。
彼女は一体誰なのか？父との関係は？
知らなかった父の顔、蘇る思い出・・そして整理されてゆく、心。

劇団Birthがお届けする、新たな家族の物語。​