橋下の唄
2005.09
2005年9月、第三回本公演として、ウッディシアター中目黒にて上演。
橋の下に暮らす不定住所者・・・いわゆるホームレスと呼ばれる人達の山あり谷ありの人生を、”生きる”をテーマに描いた作品。作品作りの過程で、実際に沢山の不定住所の方達と触れ合い、本番の舞台もご観劇頂くなど、劇団にとって様々な経験を積んだ貴重な一本である。
-STORY-
佐々木昇・25歳は、自動車販売会社に勤めて半年、まだ一度も営業を取れずにいた。無口で不器用な故か、昔から何をしてもうまくいかず・・・そんな自分の何もかもに嫌気がさした彼は、ついに“死”を思い立ち、欄干に登る。だがその時、彼が目にしたものは、橋の下に並ぶ青いシートの群れ。昇はまるで何かに導かれるかのように、欄干を降り、そこへと赴くのだった・・・。一方、橋の下に暮らす元大工職人の根岸弘明(通称ゲン)、元クリーニング屋の夫婦・君塚国男と敏子、元ヤクザの下っ端・安藤薫(通称ヤス)の4人は、唯一の共同ルールである“毎朝のラジオ体操”を終え、いつもと変わらぬ朝を迎えていた。ところが、スーツ姿で欄干に立つ若者を目撃。若者の行為をどう止めるべきかで、慌しい騒動に。そこへなんと!当の本人が現れる!意外な展開に驚き戸惑う彼等に対し、しばしの滞在を申し出る昇。一同は更に唖然・・・。こうして、「死にたい人」と「生きたい人達」の、奇妙な生活が始まった。自分で造った寝床、期限切れのコンビニ弁当・・・ここでの暮らしは、昇にとって今まで経験のしたことのない新鮮さに溢れていた。そして知っていく、様々な事情。大工職人としての信念を曲げられず、酒に溺れ全てを手放したかつての自分・・・そして今思う父としての後悔・・・その狭間で苦しみ続けるゲン。かつての父を許せぬまま、結婚を間近に控え不安を抱える娘・真弓。友人の借金を肩代わりし、家も店も失いながら、いつかまた自分たちの店を持とうとひたむきに仕事を探し続ける国男と、それを支える敏子。組からも警察からも追われる恐怖に怯えながら、それでも生きることに執着するヤス。それぞれの想いに触れ、昇の中で何かが変わり始めていく・・・。だがそんな時、橋の下の住人達に、国からの強制撤去が!彼らの明日は?それぞれの決断は?
劇団Birthがお届けする、ぬくもり第3弾!!
【脚本・演出】大久保 慶
【キャスト】
sun
大野 敏之 塩見 淳史 竹内 理恵 野田 政令 山形 照美 尾花 宏行
moon
菅野 良和 北川 伸太郎 色摩 由維 いとう 信彦 狩俣 咲子 三浦 宏一
【照明】小坂 章人 【音響】河合 恵美子 【舞台美術】尾花 宏行 【宣伝美術】大久保 一彦
【舞台監督】伊藤 清一
【制作】いとう 信彦・八幡 麻希子 【企画・製作】劇団Birth 【協力】サエラ TEAM OBANA